こんにちは。
てつを
今日は学校の教員不足についての記事です。
本日、こんな記事がアップされました。
『担任の先生が「未定」「給食時間に交代」。深刻化する教員不足、教育学者らが「公教育の質が危うい」と警鐘』 出典:HUFFPOST
5月9日(月)教育学者などの専門家が緊急で記者会見を開き「教員不足を放置すれば、公教育の質が危うい」と提言した、という内容です。
今回の記事は教育現場の現状について知りたい方におススメの記事ですが、広く色々な方に読んでもらいたい内容です。
「学校の先生ってこんなに大変なんだ」
「今の学校って、このままだとまずいんじゃないの?」
と、学校の現状に対する理解や疑問を持ってもらえると一教員として非常にうれしく思います。
それでは、まず、今回の記事の概要からです!
目次
今回の記者会見についてを簡単に要約!
今回の記者会見の内容を要約すると以下のようになります。
- 5月9日に教育学者などの専門家が緊急で記者会見を開いた。
- 全国で教員不足を訴える教員や保護者の声が相次いだ。
- 全国公立教頭会のアンケートに回答した教頭179人のうち2割が今年4月時点で教員不足であると答えた。
- 昨年度の時点で、全国の教員不足数は2558人だったが、専門家の実感としてはもっと多い。
- 「担任がいない」などの状況は子どもに対して不安や不利益を生じさせるので、すぐに改善すべきと訴えた。
そして、最終的に国や自治体へ呼びかけた内容は、次のようになります。
①正規教員確保のため予算を確保すること
②厳しい勤務実態である教員の労働環境を改善すること
また、地域社会に対しては、「教員のおかれた状況を理解し、応援してほしい」と呼びかけたそうです。
実際に記者会見の様子を動画で見ましたが、ぼくの肌感覚では「緊迫した訴え」であるように感じました。
てつを
実際に現場で起こっている問題
では、実際にどのような問題が現場では起こっているのでしょうか?
冒頭の記事では下記のような問題が発生していると報道しています。
- 教員を確保できず担任が不在の学級ができる。
- ↑のフォローのため非常勤講師と管理職(教頭・校長)が交代で担任。
- 教員一人の業務量負担とそれに伴って時間外労働も増えた。
- ↑により体調不良を訴え、休職する人も増加している。
- 慢性的な教員不足により、自治体の間で教員の取り合いが起こっている
次に、ぼくが実際に教育現場で感じた教員不足の生の体験についてお伝えします!
実体験から感じた教員不足
ここで紹介するのはあくまでも一例です。
ぼくの体験した学校よりも、もっと良い環境もあれば、もっと悪い環境もあります。
これから紹介する者は氷山の一角だと思ってもらえると良いと思います。
多くの学校は非正規の教員で成り立っている
少し前のデータですが2016年時点で公立学校の非正規雇用の割合は14.4%を占めているとされていました。
実際にぼくが勤めていた学校では、30~40%学校もありましたので、実感としては少ないように感じます(教科指導を行わない支援員なども含めるとさらに多い)。
非正規雇用の中でも、常勤講師や臨時的任用講師の中には、担任や部活動の主顧問、重要な校務分掌についている人もおり、実質的な職務内容は正規雇用とほとんど変わりません。
ですが、非正規雇用と正規雇用の先生の給料には大きく差があり、言い方は悪いですが、非正規雇用は安くこき使われている状態です。
そして、教員の不足が生じた時、自治体が人員を補填するときは、大抵非正規雇用を充てることが多いですね。
そういった状況の中でぼくが実際に体験したのは次の2点です。
①勤め始めて半年で担任!?いやいやもっとすごい例も…
ぼくもはじめて中学校の教員になったときは、非正規雇用の臨時的任用講師でした。
産休に入った先生の補填のために9月ごろに入ったのですが、翌年の4月には別の学年で担任を持つことになりました。
社会人経験があり、30代だったとはいえ、「公立学校での教員経験のほとんどないのにいきなり担任!?」と当時は驚きました。
しかし、ぼくはまだまだ良い方で、場合によってはいきなり担任をさせられることもあるとか…。
しかも、荒れている学校で精神疾患で休職した先生の補填となると、大変なクラスを持たされることになります。
てつを
本来、正規雇用と比べて職責の軽いはずの非正規でも、突然担任を持たされることがあるくらい教育現場は人材が不足しています。
そして、同じ年にさらなる教員不足による問題が生じました。
②もうすぐ4月なのに理科の先生がいない!?
3学期は先生の異動の時期ですが、そんな時期に教育委員会からとんでもない人事が発表されることがあります。
ぼくが体験したのは「理科の先生が一人出ていくのに補充されない」という事態でした。
事情を聴くと、「教員が足りないので、未定。決まり次第連絡する」とのことでした。
3月の半ばになっても、採用は決まらず、このままでは他の学年の先生が理科の授業を兼任することになる可能性が出てきました(ちなみにぼくの担当教科は理科)。
結局、その後すぐに先生は見つかりましたが、非常勤講師の若い先生で教員未経験の方でした。
なぜか教員経験半年のぼくがその人の指導にあたることになり、「生徒も先生も、指導者の質は選べないんだな」と感じた瞬間でした。
実はこれもぼくの状況はまだ軽い方で、実際に担当が見つからないまま新学期を迎えることも多いそうです。
部活動の廃止以上に、教員不足を解消してほしいという声は大きい!
以上のように、学校現場で実際に教員不足を感じる機会は多々あります。
それに対して教員は実際にどう感じているかというと、非常に強い危機感を感じています。
ぼくの実感としては、「部活動の廃止や外部委託」以上に、教員不足を解消してほしいという声は強いように思えます。
部活動の指導をはじめ、先生の業務負担を単純に減らすためには教員の母数を増やすのが最も簡単な手段だからです。
では、教員不足を解消するにはどうすればいいのでしょうか?
ぼくは「教員の仕事や学校の現状」をより広く知ってもらうことにあると思います!
まとめ:ゴールは子どもの未来のため!
今回は学校の教員不足に関してお話しました。
- 5月9日、教育学者などの専門家による「教員不足」に関する緊急会見が開かれた
- 全国で教員不足の訴えが教員や保護者から挙がっている
- 専門家らは国や自治体に「正規教員確保のための予算の確保」「労働環境の改善」を提言した
- 実際に教育現場では「担任がいない」「教員の業務負担の増加」などの問題が生じている
ぼくの実体験もまじえてお伝えしました。
最後に、ぼく自身の考えをお伝えします。
学校の現状を変えていくには、国や自治体への働きかけだけではなく、世の中の学校や教員に対する理解の促進が重要だと考えています。
もっと学校という特殊な職場を皆さんに知ってもらうことで、山積する課題を明るみに出して、改善に対する多くの方の協力や賛同を得られれば、現状を打破する大きなムーブメントにつながると思うからです!
今回の記事がその一助になればとても嬉しく思います。
今回は以上です!
てつを
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